ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「お待ちしていましたよ、殿下」
こちらを見るイリアは、どこか冷たい視線をはらんでいた。ジュスランの背筋を、冷たいものが流れ落ちる。どうしてイリアに恐怖心を覚えるのだろう。
時々せき込んでいるのは、体調が悪いのかもしれない。そう言えば、彼女はしばしば離宮を離れ、静かな土地で療養しているという噂だ。
エヴァンドロが亡くなる前に自分が死ぬわけにはいかないと思っているらしい。
「ヴィニーシアを国に取り戻したい。あなたの息子を、王にするのを手伝おう」
時間がないので、手っ取り早く話を切り出した。彼女の体調も悪そうだし、負担をかけてはならない。
こう考えているのはジュスランが親切だからではない。話の途中で相手が倒れたらなかなか面倒なことになるからだ。
「まあ、ヴィニーシア様を取り戻したい……そうね、その方がわたくしも嬉しいかもしれませんわ」
くすくすと笑いながら、イリアは手を差し伸べた。なんだかそうしなければいけないような気にさせられ、ジュスランは彼女の手を取って口づける。
「それなら、私はなにをすればいいんだ?」
「なにも」
こちらを見るイリアは、どこか冷たい視線をはらんでいた。ジュスランの背筋を、冷たいものが流れ落ちる。どうしてイリアに恐怖心を覚えるのだろう。
時々せき込んでいるのは、体調が悪いのかもしれない。そう言えば、彼女はしばしば離宮を離れ、静かな土地で療養しているという噂だ。
エヴァンドロが亡くなる前に自分が死ぬわけにはいかないと思っているらしい。
「ヴィニーシアを国に取り戻したい。あなたの息子を、王にするのを手伝おう」
時間がないので、手っ取り早く話を切り出した。彼女の体調も悪そうだし、負担をかけてはならない。
こう考えているのはジュスランが親切だからではない。話の途中で相手が倒れたらなかなか面倒なことになるからだ。
「まあ、ヴィニーシア様を取り戻したい……そうね、その方がわたくしも嬉しいかもしれませんわ」
くすくすと笑いながら、イリアは手を差し伸べた。なんだかそうしなければいけないような気にさせられ、ジュスランは彼女の手を取って口づける。
「それなら、私はなにをすればいいんだ?」
「なにも」