ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「この国に来てから、初めてグリフォンを見ました」
「普段、こいつらを使うことはないからな――こら、やめろ。頭を齧るな」

 エドの頭を、グリフォンは嘴で突いている。なんだか、とても仲がいいようだ。

(……グリフォンに遊ばれている気もする)

 右からも左からも他のグリフォンにつつかれ、エドは笑っている。いくぶん緊張が解けてきたのかもしれない。

「これで、俺と何人かが先に先行する。シアは俺と一緒に。アキも来てくれ」
「承知しました」

 ヨアキムも、いつも以上に険しい顔をしている。それもそうだろう。
 魔物が人為的に発生させられていると言うのなら――再び、核を破壊しなくてはならない。

(魔物を生み出すだけの瘴気を集めるって、ものすごく大変なはずなんだけど……)

 どんな手を使って集めたのかは気になるが、それを追求するのはあとでいい。

「シアは、俺の前な」
「……わかりました」

 グリフォンの鞍にシアがこわごわとまたがると、背後からエドが乗り込んでくる。そのまま身体に腕を回されて、顏から火が出るかと思った。
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