ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
エドは、グリフォンに命令して、急降下させる。彼が剣をふるうと、瘴気の固まりの周囲を取り囲んでいた魔物達が一度に吹き飛んだ。
できた、わずかな隙間にグリフォンをねじ込ませる。瘴気の塊と、シアは真正面から向き合った。
「……ア……ヴィニ……!」
やはり、中に人がいる。しかもそれは、こちらに向かって手を伸ばしてきた。
ぞっとしたシアは、思わず視線を落とす――と、その視線が、一点で止まった。
(……嘘でしょ!)
信じられない。
瘴気の塊が身震いしたかと思うと、新たな魔物が生まれる。人為的に作っているなんてものではなかった。人の魔力を利用して、魔物を生み出すのに使っている。
新しく生まれた魔物が腕を伸ばして攻撃しようとしたのを、エドはグリフォンを急上昇させてかわす。
「なにかわかったか?」
問いかけてから、シアが震えているのに気付いたらしい。背後から、顔をのぞき込もうとしてくる。
「どうした、シア――」
身体に回される腕に、力が込められる。シアはぎゅっと唇を引き結んだ。そうだ、今はこんなところでめげるわけにはいかない。
「あれ、ジュスラン殿下です」
できた、わずかな隙間にグリフォンをねじ込ませる。瘴気の塊と、シアは真正面から向き合った。
「……ア……ヴィニ……!」
やはり、中に人がいる。しかもそれは、こちらに向かって手を伸ばしてきた。
ぞっとしたシアは、思わず視線を落とす――と、その視線が、一点で止まった。
(……嘘でしょ!)
信じられない。
瘴気の塊が身震いしたかと思うと、新たな魔物が生まれる。人為的に作っているなんてものではなかった。人の魔力を利用して、魔物を生み出すのに使っている。
新しく生まれた魔物が腕を伸ばして攻撃しようとしたのを、エドはグリフォンを急上昇させてかわす。
「なにかわかったか?」
問いかけてから、シアが震えているのに気付いたらしい。背後から、顔をのぞき込もうとしてくる。
「どうした、シア――」
身体に回される腕に、力が込められる。シアはぎゅっと唇を引き結んだ。そうだ、今はこんなところでめげるわけにはいかない。
「あれ、ジュスラン殿下です」