ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「――は?」
返ってきたのは、信じられないという声。シアだって、信じられない。なんで、あんなところでジュスランが瘴気まみれになっているのだろう。
「あれ、ジュスラン殿下です。上着の襟に、王家の紋章が刺繍されているのが見えました」
瘴気の塊は、シアの名を呼んでいたのだと思う。ヴィニーシアという捨てた名を。
「相手が人間じゃ、切るわけにもいかないな……」
「瘴気が尽きるのを待つってこともできません。魔力を変換して瘴気を生み出しているみたいなので……」
魔力が失われれば、人間は死ぬ。エドもそれはよく知っているはずだった。
ジュスランが命を落とすまで待つという選択肢もないわけではないが――この状況で彼を見捨てると国際問題になりそうだ。
「打つ手なし、ということか?」
「ないわけじゃないんですけど……エドさんの腕にかかってますね」
ジュスランの胸元で揺れていたのは、シアが見たことのない宝飾品。まがまがしい雰囲気を発していた。
たぶん、あれがジュスランの魔力を瘴気に変換するための道具なのだろう。
返ってきたのは、信じられないという声。シアだって、信じられない。なんで、あんなところでジュスランが瘴気まみれになっているのだろう。
「あれ、ジュスラン殿下です。上着の襟に、王家の紋章が刺繍されているのが見えました」
瘴気の塊は、シアの名を呼んでいたのだと思う。ヴィニーシアという捨てた名を。
「相手が人間じゃ、切るわけにもいかないな……」
「瘴気が尽きるのを待つってこともできません。魔力を変換して瘴気を生み出しているみたいなので……」
魔力が失われれば、人間は死ぬ。エドもそれはよく知っているはずだった。
ジュスランが命を落とすまで待つという選択肢もないわけではないが――この状況で彼を見捨てると国際問題になりそうだ。
「打つ手なし、ということか?」
「ないわけじゃないんですけど……エドさんの腕にかかってますね」
ジュスランの胸元で揺れていたのは、シアが見たことのない宝飾品。まがまがしい雰囲気を発していた。
たぶん、あれがジュスランの魔力を瘴気に変換するための道具なのだろう。