ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「シアが言っていたのは、これだろ?」
「これです――これ。でも、どうやって?」
見たことのない銀色の円盤である。エドはふふんと得意そうに笑った。
「剣の先で引っ掛けて、空中に放り投げた。無理やり鎖は引きちぎったから、あいつの首は痛いかもしれないな」
残されているのは、地面に倒れているジュスランだけ。どうして、こんなことになっているのだろう。
だが、今はとりあえず無事を喜ぼう。ジュスランの身については、エドと国王の間で協議してもらうしかない。
「シア、この円盤に刻まれている紋章だが――見覚えがある」
そう告げるエドの声は固い。
王宮に戻ったら、真っ先に、やらなければならないことがある。きっと、エドもそれをわかっているのだろう。
夜の闇の中、響くのはシアとエドの足音だけ。シアは、エドの顔を見上げた。
(やっぱり、つらいよね……)
ふたりが今歩いているのは、イリア王太后の住まいである離宮だった。
エドは、イリアに裏切られていたことで苦しんでいた。呪いの元凶が彼女であると知っても、すぐに行動に移さなかったのは、異母弟のことを考えてだろう。
「これです――これ。でも、どうやって?」
見たことのない銀色の円盤である。エドはふふんと得意そうに笑った。
「剣の先で引っ掛けて、空中に放り投げた。無理やり鎖は引きちぎったから、あいつの首は痛いかもしれないな」
残されているのは、地面に倒れているジュスランだけ。どうして、こんなことになっているのだろう。
だが、今はとりあえず無事を喜ぼう。ジュスランの身については、エドと国王の間で協議してもらうしかない。
「シア、この円盤に刻まれている紋章だが――見覚えがある」
そう告げるエドの声は固い。
王宮に戻ったら、真っ先に、やらなければならないことがある。きっと、エドもそれをわかっているのだろう。
夜の闇の中、響くのはシアとエドの足音だけ。シアは、エドの顔を見上げた。
(やっぱり、つらいよね……)
ふたりが今歩いているのは、イリア王太后の住まいである離宮だった。
エドは、イリアに裏切られていたことで苦しんでいた。呪いの元凶が彼女であると知っても、すぐに行動に移さなかったのは、異母弟のことを考えてだろう。