ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
以前顔を合わせた時、イリアが呪われているとシアは思っていたけれど、それは呪いをかけた本人に残滓がまとわりついていただけのこと。
女神レウマリアから聞かされるまで、シアもまるで気付いていなかった。
「イリア王太后、あなたは――俺を呪い殺そうとしていた。それに、これもあなたの仕業だろう? どうやって、ジュスラン王太子に近づいた?」
エドは、手にしたものをイリアの前に突き出した。鎖の先で、ゆらりゆらりと円盤が揺れている。
「近づくもなにも、あいつから近づいてきただけのこと。そこの娘を、国に連れ帰りたかったらしい。方法があると教えてやったら、なにも疑うことなくそれを身に着けた」
「……どうしようもないわねぇ」
心の中だけでつぶやいたつもりが、完全に声になって漏れていた。
そんなことを言われても、今さらだ。ずっとシアを聖女の祠に放置していたくせに。
「動機は、王位か?」
「――そう。私達は、安息の地が欲しかった。古の魔女の血を引く我々は、国を奪われてからばらばらになってしまった。アンセルムが王となれば、我らに居場所を作ることができる」
女神レウマリアから聞かされるまで、シアもまるで気付いていなかった。
「イリア王太后、あなたは――俺を呪い殺そうとしていた。それに、これもあなたの仕業だろう? どうやって、ジュスラン王太子に近づいた?」
エドは、手にしたものをイリアの前に突き出した。鎖の先で、ゆらりゆらりと円盤が揺れている。
「近づくもなにも、あいつから近づいてきただけのこと。そこの娘を、国に連れ帰りたかったらしい。方法があると教えてやったら、なにも疑うことなくそれを身に着けた」
「……どうしようもないわねぇ」
心の中だけでつぶやいたつもりが、完全に声になって漏れていた。
そんなことを言われても、今さらだ。ずっとシアを聖女の祠に放置していたくせに。
「動機は、王位か?」
「――そう。私達は、安息の地が欲しかった。古の魔女の血を引く我々は、国を奪われてからばらばらになってしまった。アンセルムが王となれば、我らに居場所を作ることができる」