ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
下手に魔力を彼女に残しておくと、また、別の悪事を企むかもしれないという恐れもある。マルいわく、死なない程度ぎりぎりまで魔力を吸い上げるそうな。
「――アンセルムには」
「あいつが物の道理を理解できるようになった時、説明するかどうかは俺が改めて考える」
言外に、弟王子に話してもらいたくなかったらおとなしくしていろとエドはにじませる。悔しげな声をあげたけれど、イリアはそれきり口を閉じたのだった。
* * *
こうして、なにもかもが終わったかと思ったが、もうひとつ大きな問題が残っていた。ジュスランの処遇である。
一国の王太子を、その辺りに転がしておくわけにもいかず、救助という形でシアが保護した。だが、保護した以上、国に迎えを求めなければならない。
ジュスラン王太子を保護したので迎えに来てほしい、彼は罪を犯したのでその件についても合わせて話をしたいとエドが使いを送ったところ、セアルド国王自らやってきたのである。
「聖女ヴィニーシア、どうか我が国に戻ってきてくれ。私は、なにも知らなかったのだ」
「――アンセルムには」
「あいつが物の道理を理解できるようになった時、説明するかどうかは俺が改めて考える」
言外に、弟王子に話してもらいたくなかったらおとなしくしていろとエドはにじませる。悔しげな声をあげたけれど、イリアはそれきり口を閉じたのだった。
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こうして、なにもかもが終わったかと思ったが、もうひとつ大きな問題が残っていた。ジュスランの処遇である。
一国の王太子を、その辺りに転がしておくわけにもいかず、救助という形でシアが保護した。だが、保護した以上、国に迎えを求めなければならない。
ジュスラン王太子を保護したので迎えに来てほしい、彼は罪を犯したのでその件についても合わせて話をしたいとエドが使いを送ったところ、セアルド国王自らやってきたのである。
「聖女ヴィニーシア、どうか我が国に戻ってきてくれ。私は、なにも知らなかったのだ」