ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 エドは、あいかわらず国王としての責務の他に、冒険者として魔物退治に取り組んでいるようだ。女神の加護があっても、魔物の出現を完璧に封じるのは難しいらしい。

「――って、なにやってるんですか、あなた」

 乱入してきたヨアキムは、エドの首根っこをひっつかんだ。そのままずるずると外に引きずっていこうとする。

(お会計は終わったから、いいと言えばいいんだけど)

「あなた、いつまでも気ままでいられるとは思わないでくださいね? あなたのやるべきことは他にもいろいろあるんですから!」

 店の入り口のところまで引きずられたところで、エドはヨアキムを振り払うことに成功した。

「あのな、俺だってそのくらいわかっているから! ――まだ、話が終わっていない!」

 ヨアキムを振りほどいたエドは、ずんずんとカウンターまで戻ってきた。そして、カウンター越しに身を乗り出し、シアに顔を近づける。

「シア、頼みがある」
「なんでしょう?」
「俺と、友人になってほしい――いや、友人から始めさせてほしいが正解かな」

 友人。
 いきなり、なにを言い出すのだろう。
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