ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
誰も、シアのことを見てくれなくなったのは。
家族の色を失ったから、魔の色に染まったから、シアは愛してもらえないのだろうか。
「――よくもわが父をもだましたな!」
そうジュスランが叫ぶ。
違う。
だましたことなんて、今まで一度もない。最初のうちは、ジュスランだって聖女を婚約者としたことを喜んでいたというのに。
「まあいい。真の聖女が目覚めたのだ」
うつむいているシアが、自分の罪を暴かれ、恐怖に震えていると思ったのだろう。ジュスランは、自信満々に妹――ジェルトルーデ――を引き寄せた。
「お前は瘴気を浄化することができると言うが、ただ、自分の中にため込んでいるだけ。それは浄化とは言わん」
(今度は、どんな殺され方をするのかしら)
できれば、痛くない方法がいい。
最初に切り殺された時は痛かった。二度目に頭を殴られた時は、痛みでのたうち回った。
三度目の時は毒杯を渡された。あれが一番楽でよかった。眠るようにその場に倒れて、次の瞬間には十二の時に戻っていたから。
だが、死を待ち構えるシアの予想とは違う言葉が、ジュスランの口から吐き出された。
家族の色を失ったから、魔の色に染まったから、シアは愛してもらえないのだろうか。
「――よくもわが父をもだましたな!」
そうジュスランが叫ぶ。
違う。
だましたことなんて、今まで一度もない。最初のうちは、ジュスランだって聖女を婚約者としたことを喜んでいたというのに。
「まあいい。真の聖女が目覚めたのだ」
うつむいているシアが、自分の罪を暴かれ、恐怖に震えていると思ったのだろう。ジュスランは、自信満々に妹――ジェルトルーデ――を引き寄せた。
「お前は瘴気を浄化することができると言うが、ただ、自分の中にため込んでいるだけ。それは浄化とは言わん」
(今度は、どんな殺され方をするのかしら)
できれば、痛くない方法がいい。
最初に切り殺された時は痛かった。二度目に頭を殴られた時は、痛みでのたうち回った。
三度目の時は毒杯を渡された。あれが一番楽でよかった。眠るようにその場に倒れて、次の瞬間には十二の時に戻っていたから。
だが、死を待ち構えるシアの予想とは違う言葉が、ジュスランの口から吐き出された。