ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「――お前は、隣の国に行け」
「……え?」
今までの十回の人生では見なかったパターンが来た。せめて見苦しい姿は見せたくないと唇を引き結んでいたのだが、思わず顔を上げる。
「ガラティア王国のエヴァンドロ。お前を彼の妃として送ることにした。俺の妃の座は失ったが、隣国で聖女である王妃としてあがめられるぞ。ありがたく思え」
「そ、それは……」
今までとは違う展開だから、ついていけずまごまごしてしまう。
「呪われた王と、呪われた聖女。お似合いの夫婦になるだろうな」
「そうよ、お似合いだわ――ねえ、お父様、お母様」
ジュスランに同意したジェルトルーデの言葉に、両親も満足そうにうなずく。
この状況についていくことができていないのは、ひょっとしたらシアだけなのかもしれない。
「――せいぜい、相手に気に入られるように努力するんだな」
あざ笑うような言葉を残し、全員立ち去ってしまう。シアはその場にぺたりと座り込んだ。
(……私、助かったってことでいいの?)
こんな展開、信じられない。本当に、死を逃れることができたのだろうか。
何度も何度も何度も何度も。
「……え?」
今までの十回の人生では見なかったパターンが来た。せめて見苦しい姿は見せたくないと唇を引き結んでいたのだが、思わず顔を上げる。
「ガラティア王国のエヴァンドロ。お前を彼の妃として送ることにした。俺の妃の座は失ったが、隣国で聖女である王妃としてあがめられるぞ。ありがたく思え」
「そ、それは……」
今までとは違う展開だから、ついていけずまごまごしてしまう。
「呪われた王と、呪われた聖女。お似合いの夫婦になるだろうな」
「そうよ、お似合いだわ――ねえ、お父様、お母様」
ジュスランに同意したジェルトルーデの言葉に、両親も満足そうにうなずく。
この状況についていくことができていないのは、ひょっとしたらシアだけなのかもしれない。
「――せいぜい、相手に気に入られるように努力するんだな」
あざ笑うような言葉を残し、全員立ち去ってしまう。シアはその場にぺたりと座り込んだ。
(……私、助かったってことでいいの?)
こんな展開、信じられない。本当に、死を逃れることができたのだろうか。
何度も何度も何度も何度も。