ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
両肩にずしりとのしかかっていた重荷、背中の痛みも消え失せている。
(――まさかな)
呪われた聖女が、呪いを祓ったとでも言うのだろうか。離宮にとどまることを許したのさえ、間違っているのではないかと自問しているのに。
けれど。まっすぐに自分を見返してきたシアの瞳を思い出し、エヴァンドロは慌てて視線を落とした。
呪われてからというもの、視線を真正面から人と合わせるのは避けてきた。万が一、呪いが移ったら困ると思ったのだ。そんなことはないとわかっていても、そうせずにはいられなかった。
ヨアキムは例外として側に置いているのは、なにを言っても、脅しても、すかしても、彼がエヴァンドロの側を離れるのをよしとしなかったからである。
彼が周囲とエヴァンドロの連絡係を引き受け、世話係を引き受けているおかげで、この国は回っている。
一生を、エヴァンドロに捧げる必要なんてないのに――と思っていたら、そのヨアキムが戻ってきた。
「お送りしてきましたよ、陛下。この国に滞在させてよかったんですか?」
(――まさかな)
呪われた聖女が、呪いを祓ったとでも言うのだろうか。離宮にとどまることを許したのさえ、間違っているのではないかと自問しているのに。
けれど。まっすぐに自分を見返してきたシアの瞳を思い出し、エヴァンドロは慌てて視線を落とした。
呪われてからというもの、視線を真正面から人と合わせるのは避けてきた。万が一、呪いが移ったら困ると思ったのだ。そんなことはないとわかっていても、そうせずにはいられなかった。
ヨアキムは例外として側に置いているのは、なにを言っても、脅しても、すかしても、彼がエヴァンドロの側を離れるのをよしとしなかったからである。
彼が周囲とエヴァンドロの連絡係を引き受け、世話係を引き受けているおかげで、この国は回っている。
一生を、エヴァンドロに捧げる必要なんてないのに――と思っていたら、そのヨアキムが戻ってきた。
「お送りしてきましたよ、陛下。この国に滞在させてよかったんですか?」