ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
マルが見つけ出したのは、人目につかない一画だった。
誰もこの辺りまでは来ないようで、雑草が生い茂っている。敷地が広いから、庭師の手もここまでは回らないのかもしれない。
「ここ、いいわね――えいっ!」
シアが塀に手を当てると、ぐにゃりとそこが折れ曲がる。ぽかりと大きな穴が開いた。そこから抜け出し、もう一度塀の方に向き直る。
「よいしょっと」
塀に手を当てて魔力を込めたら、再び塀は元の姿を取り戻す。この場所に、一瞬穴があったなんて、誰も気付かないだろう。
「シアだけ通れるようにしたんだ?」
「うん。いちいち穴を開けるのは面倒だしね!」
一見、塀は元に戻ったように見えるが――いや、実際元に戻ってはいるのだが――シアは例外である。今、塀を元に戻した時、一緒にシアの魔力を流しておいた。
今後、シアだけは穴を開けずに塀をすり抜けることができる。
マルはシアの肩に乗っているので、問題なく一緒に通り抜けることができる。
――実は、聖女の能力は意外と使い道がたくさんあるのだ。
誰もこの辺りまでは来ないようで、雑草が生い茂っている。敷地が広いから、庭師の手もここまでは回らないのかもしれない。
「ここ、いいわね――えいっ!」
シアが塀に手を当てると、ぐにゃりとそこが折れ曲がる。ぽかりと大きな穴が開いた。そこから抜け出し、もう一度塀の方に向き直る。
「よいしょっと」
塀に手を当てて魔力を込めたら、再び塀は元の姿を取り戻す。この場所に、一瞬穴があったなんて、誰も気付かないだろう。
「シアだけ通れるようにしたんだ?」
「うん。いちいち穴を開けるのは面倒だしね!」
一見、塀は元に戻ったように見えるが――いや、実際元に戻ってはいるのだが――シアは例外である。今、塀を元に戻した時、一緒にシアの魔力を流しておいた。
今後、シアだけは穴を開けずに塀をすり抜けることができる。
マルはシアの肩に乗っているので、問題なく一緒に通り抜けることができる。
――実は、聖女の能力は意外と使い道がたくさんあるのだ。