ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
呪われた聖女と言われたシアでもこうなのだから、本物の聖女はきっともっとすごいことができるに違いない。
それはともかく、外に出たシアは息をのんだ。
ガラティア王国の都は美しいと聞いていたけれど、話に聞いていた以上だ。高い所から見下ろす景色は、昨日馬車の中から見たものとまるで違っていた。
王宮は小高い丘の上にあり、都を一望することができる。色とりどりの屋根が、日光を反射して眩く煌めいていた。
街並みの向こう側に見えるのは青い海と白い雲。そして、都の外には緑が広がっている。シアは目を瞬かせた。
(本当に、綺麗――)
過去、十回の人生で、一度もこんな風に景色を眺めたことはなかった。
いつだって、殺されるのではないかとびくびくし、殺される未来を回避するためにはどうしたらいいのかとあがくことに精一杯。
十八の誕生日を過ぎてもこうしていられるのは、不思議な気分だ。
生きている。それだけで、胸が熱くなってくる。
「すごいね、マル。すっごく綺麗」
「……うん」
それはともかく、外に出たシアは息をのんだ。
ガラティア王国の都は美しいと聞いていたけれど、話に聞いていた以上だ。高い所から見下ろす景色は、昨日馬車の中から見たものとまるで違っていた。
王宮は小高い丘の上にあり、都を一望することができる。色とりどりの屋根が、日光を反射して眩く煌めいていた。
街並みの向こう側に見えるのは青い海と白い雲。そして、都の外には緑が広がっている。シアは目を瞬かせた。
(本当に、綺麗――)
過去、十回の人生で、一度もこんな風に景色を眺めたことはなかった。
いつだって、殺されるのではないかとびくびくし、殺される未来を回避するためにはどうしたらいいのかとあがくことに精一杯。
十八の誕生日を過ぎてもこうしていられるのは、不思議な気分だ。
生きている。それだけで、胸が熱くなってくる。
「すごいね、マル。すっごく綺麗」
「……うん」