ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
第一章 ここでも不要な存在でしたか
「やった、やったわ!」
シアは両手を天井に向けて突き上げた。そのままぐるぐると回ったかと思ったら、ばたりとベッドに倒れ込む。
聖女は清貧でなければならないという思想の押しつけにより、シアが今暮らしている聖女の祠は非常に質素なものであった。
客人と面会をするための部屋と、狭い寝室、それに厨房。祈りの間の隣に、沐浴のための場所はあるが、浴室はない。
寝室のベッドは非常に硬いもので、普通の貴族令嬢なら耐えられないものだろう。上にかける布団もペラペラ。冬は非常に寒い。幸いなことに、今回の人生ではその寒さは経験しないですんだのだが。
「やったって、なにがさ?」
ひょこりと枕の側に顔をのぞかせたのは、白いハムスターのような生き物であった。
鼻をひくひくとさせたそれは、よいしょと枕を占領した。いつものことなので気にしない。
「この祠を出ていくことになったの!」
「へぇ?」
「今まで、こんなことなかった! 今日だって、殺されると思ってたのに私ついてると思わない?」
シアは胸の上で両手を組んで天井を見上げる。
十回。今までの人生でシアが殺されたのは十回だ。
シアは両手を天井に向けて突き上げた。そのままぐるぐると回ったかと思ったら、ばたりとベッドに倒れ込む。
聖女は清貧でなければならないという思想の押しつけにより、シアが今暮らしている聖女の祠は非常に質素なものであった。
客人と面会をするための部屋と、狭い寝室、それに厨房。祈りの間の隣に、沐浴のための場所はあるが、浴室はない。
寝室のベッドは非常に硬いもので、普通の貴族令嬢なら耐えられないものだろう。上にかける布団もペラペラ。冬は非常に寒い。幸いなことに、今回の人生ではその寒さは経験しないですんだのだが。
「やったって、なにがさ?」
ひょこりと枕の側に顔をのぞかせたのは、白いハムスターのような生き物であった。
鼻をひくひくとさせたそれは、よいしょと枕を占領した。いつものことなので気にしない。
「この祠を出ていくことになったの!」
「へぇ?」
「今まで、こんなことなかった! 今日だって、殺されると思ってたのに私ついてると思わない?」
シアは胸の上で両手を組んで天井を見上げる。
十回。今までの人生でシアが殺されたのは十回だ。