ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 昨日言っていたように、国に送り返してもよかったのだ。送り返されたシアがその先どうなったかなんて、彼が気にすべきところではない。
 けれど、エヴァンドロはそれなりにシアのことを気にかけてくれる。それだけで、シアの中で彼の株は急上昇した。

「本当に、大丈夫ですから」

 だが、まだ、彼を納得させるには足りていないようだ。
 エヴァンドロは、ぶつぶつとなにやらつぶやいていたけれど、最終的にはシアの判断に任せてくれることにしたらしい。

「……わかった。だが、生活の面倒は俺に見させてほしい。街に出て、危険なことはしてほしくないんだ」
「本当に、私のことは気にしないでください。ひとりが、気楽なんです」
「そうか」

 たぶん、今の説明で納得してくれただろう。
 でも、それだけでは離宮に滞在させてもらえるお礼にはならないと思う。

「あ、そうだ――ヨアキムさんにも言ったのですが、瘴気を祓うというか、体内に吸収することはできます。もし、必要になったら言ってください。ただ飯食らうわけにもいかないので」
「――わかった。その時にはよろしく頼む」
「ええ、お任せください」

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