ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「散歩の時に、花を摘んだり、小動物と戯れたり、気楽に過ごしておいでのようですよ」

 それなら、よかった。
 エドの生母は、もう亡くなっている。
 今の王太后イリアは、エドにとっては継母、父の後妻である。エドより十歳年下の男の子がいて、エドも可愛がっていた。
 なかなか将来有望で、将来は右腕になってくれるのではないかと期待もしている。ヨアキムひとりに責任を負わせ続けるのも問題だ。

「継母上が亡くなれば、弟が悲しむからな。快方に向かっているのならばよかった」

 問題はひとつ、イリアは身体が弱いというところだろうか。
 もともと、気の弱いところがあって、王宮での生活になじむのが難しかったということは、本人の口からも聞いたことがあった。
 しばしば療養のために、王家の持つあちこちの別荘に行くのは、王宮での生活から少しでも離れたいというのもあるのだろう。

(散財をするわけでもないし、この程度のこと、わがままとも言えないからな)

 王太后がしばしば王宮を離れて別荘に行くことにつき、苦言を呈する家臣がいないわけでもない。
< 71 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop