ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 だが、深く政に関わっているわけでもないし、宝石やドレスを買いあさって散財しているならばともかく、別荘で静かに過ごしているだけ。
 体調がいい時には王宮に戻ってくるのだから、文句を言うつもりはない。
 エドの身になにかあれば、即位するのは弟だ。そうなったら、彼女の苦手な王宮での時間が長くなるのも目に見えているのだから、もう少しの間好きにさせてやりたい。

「それはそれとして、だ。明日は、冒険者組合に挨拶をして、それからポーション屋を何軒か見て回ろうと思う」

 魔物退治や、薬やポーションの材料の調達を行うことを生業としている冒険者と呼ばれる人達を管理しているのが冒険者組合だ。
 即位の前から、エドは身元を隠し、冒険者エドとして冒険者組合に所属している。
 魔物退治を行うことのできる人間は貴重だし、自分の目で直接街を見て回るのが大事だとも考えているからだ。

「かしこまりました。外出できた時とできなかった時、両方の事態を想定しておきます」

< 72 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop