ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 実のところ、エドは冒険者としてかなり有能である。冒険者は、七級から始まり、五級で一人前とされる。そこから一級まで上がることができるのはほんの一握り。
 そして、エドは、五年で一級まで駆け上がった、かなり、いや、ものすごく有能な冒険者なのだ。

「来られる時は、依頼を受けに来るさ。俺でできることがあれば――なあ、アキ」
「俺を巻き込むな」

 アキと呼ばれたのはヨアキムである。彼もまた、エドの相棒として、行動を共にしていた。彼は茶色の髪を金色に染めている。それだけでは心もとないのか、フードを目深にかぶっていた。
『エドとアキのふたりが揃えば、たいていの依頼はこなすことができる』とも言われている。

「エドが来ない間、アキはどうしていたんだ?」
「俺、エドの幼馴染だって忘れていませんか? こいつの実家に一緒に帰ってたんですよ。俺の家族にもついでに会えるし」
「――ああ、そうだったな」

 ヨアキムは、剣の腕もそこそこなのだが、それ以上に魔術の能力に優れている。
 エドの護衛として、常に行動を共にしてくれているというわけだ。彼がいてくれるからこそ、エドのわがままが通るともいえる。

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