ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「一度婚約した以上、呪われていても見捨てるべきではないと思っていたが――真の聖女が見つかった今、偽物にだまされていたことが悔しくてならない」
「殿下。そんな風にご自分を責めないでください」
ジェルトルーデは、潤んだ目でジュスランを見上げる。
心細そうな目をしている自分が、異性の瞳にはどう映るのか、今までの経験からジェルトルーデは知り尽くしていた。
ジュスランの目が、自分の顔から離れないのもちゃんと自覚していた。
(私こそが真の聖女。私こそが王太子妃の地位にふさわしい)
ジェルトルーデの中で動き始める野望。ジュスランの妃となれば、未来の王妃。
セアルド王国を支える聖女にして王妃。なんて甘美な響きなのだろう。
「殿下。姉との婚約は解消すべきですわ。だって、姉は」
偽物の聖女なのですから。
声には出さなくても、ジュスランにはジェルトルーデの言いたかったことがしっかり伝わったようだ。
恐れ多くも王太子をだまして婚約者の地位を奪った女だ。聖女の祠から出したとして、どこに行かせればいいだろう。いっそ、国から追放したらいいだろうか。
「殿下。そんな風にご自分を責めないでください」
ジェルトルーデは、潤んだ目でジュスランを見上げる。
心細そうな目をしている自分が、異性の瞳にはどう映るのか、今までの経験からジェルトルーデは知り尽くしていた。
ジュスランの目が、自分の顔から離れないのもちゃんと自覚していた。
(私こそが真の聖女。私こそが王太子妃の地位にふさわしい)
ジェルトルーデの中で動き始める野望。ジュスランの妃となれば、未来の王妃。
セアルド王国を支える聖女にして王妃。なんて甘美な響きなのだろう。
「殿下。姉との婚約は解消すべきですわ。だって、姉は」
偽物の聖女なのですから。
声には出さなくても、ジュスランにはジェルトルーデの言いたかったことがしっかり伝わったようだ。
恐れ多くも王太子をだまして婚約者の地位を奪った女だ。聖女の祠から出したとして、どこに行かせればいいだろう。いっそ、国から追放したらいいだろうか。