ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「そうだ。ガラティア国王から聖女を送ってほしいと頼まれていたんだった。あの国では、聖人聖女が足りないらしいからな」
いくぶん、人の悪そうな笑みをジュスランは浮かべた。そんな笑みにも、ジェルトルーデの目は吸い寄せられてしまう。
「あの国に偽物聖女を送ることにしよう。呪われた聖女と呪われた王。お似合いではないか」
ガラティア王国の王は、何年も前から呪いを受けているという。幾度も解呪が試みられたけど、一度も解呪に成功したことはないのだとか。
たしかに、あの国ならばヴィニーシアを送るのにふさわしい。そして、二度と戻ってこなければいい。
「殿下、私……聖女の祠の生活には、耐えられそうにないんです」
聖女の祠には幾度も訪れた。狭く、汚らしい場所。入浴用の施設さえなく、水浴びをするしかないのだ。そんな生活、耐えられるはずもない。
「わかっている。君のような繊細な人が、あの場所に耐えられるはずはない。もちろん、君はこのまま王宮で暮らせばいい。祈りを捧げるのは、王宮でもできるのだから」
ああ、とジェルトルーデは心の中でつぶやいた。奪われた場所を取り戻した。
いくぶん、人の悪そうな笑みをジュスランは浮かべた。そんな笑みにも、ジェルトルーデの目は吸い寄せられてしまう。
「あの国に偽物聖女を送ることにしよう。呪われた聖女と呪われた王。お似合いではないか」
ガラティア王国の王は、何年も前から呪いを受けているという。幾度も解呪が試みられたけど、一度も解呪に成功したことはないのだとか。
たしかに、あの国ならばヴィニーシアを送るのにふさわしい。そして、二度と戻ってこなければいい。
「殿下、私……聖女の祠の生活には、耐えられそうにないんです」
聖女の祠には幾度も訪れた。狭く、汚らしい場所。入浴用の施設さえなく、水浴びをするしかないのだ。そんな生活、耐えられるはずもない。
「わかっている。君のような繊細な人が、あの場所に耐えられるはずはない。もちろん、君はこのまま王宮で暮らせばいい。祈りを捧げるのは、王宮でもできるのだから」
ああ、とジェルトルーデは心の中でつぶやいた。奪われた場所を取り戻した。