ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「君の方が優れた聖女なのだから、祠になど行かなくてもかまわない」
「ありがとうございます、殿下」

 幸せ、とジェルトルーデは自分の幸福を噛みしめた。これで、目障りなあの女がいなくなる。呪われた王の隣で、幸福に暮らすジェルトルーデを羨めばいい。
 けれど、この時ジェルトルーデはまったく理解していなかった。自分が上ろうとしている地位が、ヴィニーシアにとってはまったく無意味であったということを。
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