ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
第三章 新しい生活はとても幸せ
この離宮で暮らすようになってひと月。
離宮の前には、可愛らしい花を咲かせるハーブの花壇に翻る洗濯物。
一か月の間に離宮の周囲はすっかり様変わりしていた。生活感がある。いや、生活感が溢れている。
シアに、離宮で暮らす許可をくれるあたり、エヴァンドロは思っていた以上にいい人なのだろう。顔を合わせる機会もないからよくわからないけれど、きっといい人だ。
それから、食料は毎朝当番の人が運んできてくれる。
運んできてくれた時に頼めば、次の日の注文も聞いてもらえる。お菓子も頼んだら持ってきてくれたけれど、生活必需品ではないので、お菓子は自分で買うことにした。
ドレスもくれると言ったけれど、そんなものは必要ないから断った。動きやすい服だけあれば十分。
チチッと鳴き声がして、シアの肩に小鳥が止まった。これも毎朝の習慣。
「おはよう、朝ごはんはもう食べた?」
シアの手にあるのは、パン切れや小さく切った果物である。肩から腕を伝って移動した小鳥は、パン切れをひとつくわえて飛び去った。
「ひとり占めはだめよー」
と、飛び去る後ろ姿に声をかけても、当然のことながら返事はない。残った皿の中身を、シアは居間の窓からよく見える位置に設置した餌台の上に置いた。
離宮の前には、可愛らしい花を咲かせるハーブの花壇に翻る洗濯物。
一か月の間に離宮の周囲はすっかり様変わりしていた。生活感がある。いや、生活感が溢れている。
シアに、離宮で暮らす許可をくれるあたり、エヴァンドロは思っていた以上にいい人なのだろう。顔を合わせる機会もないからよくわからないけれど、きっといい人だ。
それから、食料は毎朝当番の人が運んできてくれる。
運んできてくれた時に頼めば、次の日の注文も聞いてもらえる。お菓子も頼んだら持ってきてくれたけれど、生活必需品ではないので、お菓子は自分で買うことにした。
ドレスもくれると言ったけれど、そんなものは必要ないから断った。動きやすい服だけあれば十分。
チチッと鳴き声がして、シアの肩に小鳥が止まった。これも毎朝の習慣。
「おはよう、朝ごはんはもう食べた?」
シアの手にあるのは、パン切れや小さく切った果物である。肩から腕を伝って移動した小鳥は、パン切れをひとつくわえて飛び去った。
「ひとり占めはだめよー」
と、飛び去る後ろ姿に声をかけても、当然のことながら返事はない。残った皿の中身を、シアは居間の窓からよく見える位置に設置した餌台の上に置いた。