ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「そろそろ部屋に入ったら? 日焼けするよ?」
なにしろ今は夏である。
特に、今日は日差しが強いので、朝食前の時間だというのにかなり汗をかいてきた。
汗を流してさっぱりとしてから、冷たい飲み物を作って朝食にしよう。
離宮の中は、魔術で涼しくなるよう室温が設定されているから、中に入ってしまえば問題ないのだ。
収穫を済ませ、裏手から離宮の表の方に戻ってくる。
「……あ」
視線を巡らせたら、ヨアキム他数人の供を連れたエヴァンドロが、向こう側を歩いていた。今日は暑いからか、いつもより軽装だ。
「あの人、また呪われてるわねぇ……言ってあげた方がいいと思う?」
裏口から入ればよかったと、ちょっぴり後悔したのは内緒だ。
黒いものがもやもやとまとわりついていて、身体が重そうなのでちょい、と右手を振る。
彼の身体からしゅるりと抜け出たもやもやは、そのままシアの手の中で黒い小さな塊となった。
「シアの言うこと、聞くと思う?」
「そっか、まあそうよねえ」
肩の上にいるマルは鼻を鳴らした。
シアのことは、偽物聖女だと言われているようだし、あえて自分から火の中に飛び込んでいくこともないか。
呪いは祓ってあげたし、彼らは気付いていないとはいえ、もらっている食料の分くらいは働いたということにしておく。食事の支度にかかろう。
なにしろ今は夏である。
特に、今日は日差しが強いので、朝食前の時間だというのにかなり汗をかいてきた。
汗を流してさっぱりとしてから、冷たい飲み物を作って朝食にしよう。
離宮の中は、魔術で涼しくなるよう室温が設定されているから、中に入ってしまえば問題ないのだ。
収穫を済ませ、裏手から離宮の表の方に戻ってくる。
「……あ」
視線を巡らせたら、ヨアキム他数人の供を連れたエヴァンドロが、向こう側を歩いていた。今日は暑いからか、いつもより軽装だ。
「あの人、また呪われてるわねぇ……言ってあげた方がいいと思う?」
裏口から入ればよかったと、ちょっぴり後悔したのは内緒だ。
黒いものがもやもやとまとわりついていて、身体が重そうなのでちょい、と右手を振る。
彼の身体からしゅるりと抜け出たもやもやは、そのままシアの手の中で黒い小さな塊となった。
「シアの言うこと、聞くと思う?」
「そっか、まあそうよねえ」
肩の上にいるマルは鼻を鳴らした。
シアのことは、偽物聖女だと言われているようだし、あえて自分から火の中に飛び込んでいくこともないか。
呪いは祓ってあげたし、彼らは気付いていないとはいえ、もらっている食料の分くらいは働いたということにしておく。食事の支度にかかろう。