ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 今の説明で、毒消しのポーションを作るのに、なにか特別な素材が必要なのだと判断したのだろう。シアがポーションを作る時には、どんなポーションでも水とシアの魔力だけで作れるのだが、面倒事は避けておきたい。

「まあ、材料が手に入ったら作ってもらえるとありがたいかな。あんたのポーション、本当に効きがいいから」
「わかった。探してみる」

 ベラいわく、シアのポーションは比較的高値だ。だが、効き目が素晴らしいため、冒険者達はこぞって買い求めていくそうだ。
 もっとも、シアのポーションをじゃぶじゃぶ使えるほど余裕があるのは一握り。
 たいていは、最後のお守りとしてシアのポーションを買い求め、あとは自分が使いやすい価格のポーションを使う者が多いらしい。

「私のポーション、そんなに効きがよかった?」
「そうだよ。おかげさまで、怪我をして戻ってくる冒険者がずいぶん減った」
「それなら、いいけど」

 聖女が水と魔力のみで作り出したポーションなので、ある意味聖水と言ってもいいかもしれない。この街の冒険者達が、無事に戻ってこられるようになったのはなによりだ。

「ベラさーん、ちょっといい?」
「なに?」

 店の扉が開いたかと思ったら、隣の店の店主が顔を出す。隣は、ポーションや薬の材料を商っている店だ。
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