好きですひびたん！

決断

テスト期間が始まった。うちの学校は一週間前から部活動停止になる。

「うーん、どう頑張っても解けない...美玲さーん助けてぇ泣」

「えー、どこよ」

「これとこれとこれとこれとこれ」

「一個くらい自分の力で解きなさい」

「ムリぃ...ほんとになんも分かんないんだもん」

今は美玲と近くの図書館で勉強中。一問ごとに聞いてくる莉亜に美玲は呆れ始めていた。

「拓斗も今テスト期間中なんでしょ?拓斗とやればいいじゃん。あたしも自分の勉強に専念させて欲しいんだけど」

「...ねぇ美玲」

「ん?」

「好きかわからない状態って要はその人のこと好きじゃないって事と一緒なのかな」

「...今度は何があったの」

「拓斗が全然連絡をくれない。電話してもごめん忙しいって言われたり、会いたいって言ってもはぐらかさ れたりして...もうなんかよく分からないの」

「最終的に決めるのは莉亜だからあたしはそんなに言えないけど、あたしだったら拓斗とは付き合ってられない」

「...うん」

「あたしが莉亜の立場だったら自分はキープされてるんだって思う。都合のいい女でなんていたくない」

「...そっか。うんわかった」

「?」

「ずっと迷ってたけど、ちゃんと意志が固まった」

「...そっか。莉亜が決めたんならあたしはそれを応援するよ」

「うん。ありがとう、美玲」

「それじゃあ、悩みは解決した事だし!お勉強しますよ莉亜さん」

「そうだった!うわーん泣」

ちょっとスッキリしたのか、その後は集中して勉強できた。運命のテストまで、あと少し。