好きですひびたん!
第1章 出会い
入学式初日
ザワザワザワ...
「美玲《みれい》!何組になった?」
「あたしは2組。莉亜は?」
「1くみいぃぃ...」
今日は高校の入学式。校門に貼り出されたクラス表を目の前に絶望している。隣にいるのは橋本美玲。彼女とは保育園の頃からの幼馴染みである。そんな美玲と初めてクラスが別れた。あぁ、憂鬱だ。重い足取りで教室へ向かう。
「大丈夫だって!莉亜にも友達くらいできるよ!」
「莉亜は美玲と同じクラスになりたかったのに〜...」
「何とかなるから!ほら行っておいで」
「放課後は一緒に帰ろうね?」
「はいよ。じゃあまた放課後にね」
「うん、ばいばい」
ガラガラガラ
あぁ、やっぱり知らない人だらけだ。
とりあえず自分の席に座る。入学式初日だからか、みんなそこまでうるさくないのが唯一の救いだ。
「はい、じゃあ最初のホームルーム始めるぞー。」
教壇に担任が上がってきた。すると黒板になにか書き始めた。
「このクラスの担任になった猪田和正だ。それじゃあ自己紹介していこうか。まずは俺から。名前はさっき言った通り猪田和正。この学校のOBだ。担当科目は体育。学年主任も務める。1年間よろしく」
猪田先生か。にしても学年主任が担任になるとは...。入学早々ツイてないことばっかりだ。
そして生徒の自己紹介が始まった。
(あ、次隣の人だ)
「石川真人《いしがわまこと》です。山の上中学校から来ました。趣味は音楽を聴くことで、歌い手のSAYUKIさんとか好きです。よろしくお願いします。」
えっ、SAYUKIさん好きなの?!
SAYUKIは、今日本で有名な駆け出しの歌い手だ。莉亜も受験の時にSAYUKIの歌に出会ってから彼女のファンである。
話しかけてみたいが、いつものあがり症が出てしまう。
そんなことを考えている間にあっという間に莉亜の番になった。
あぁ、緊張する。
「お、御園莉亜《おんぞのりあ》です。南条中学校から来ました。部活はバレー部に入部する予定です。最近は音楽を聴くことが好きで、SAYUKIさんとかボカロ系を聴いています。趣味が合う人がいたらぜひ声をかけてください。よろしくお願いします。」
パチパチパチ
ふぅ、とりあえず一難去った。
注目が集まる場所はどうも苦手だ。
にしても隣の人、真っ黒でサラサラな髪、タレ気味の大きな目、長いまつ毛。とても綺麗な顔立ちだ。制服を着ていなかったら男の子だと分からないくらいだ。余計に話しかけづらい。
自己紹介が終わり猪田が教壇に戻ってくる。
「じゃあ今日はこれで終わりだから放課だ。明日からは普通に授業があるから忘れ物しないようにな。じゃあ気をつけて帰れよー」
友達できるといいな...。
「美玲《みれい》!何組になった?」
「あたしは2組。莉亜は?」
「1くみいぃぃ...」
今日は高校の入学式。校門に貼り出されたクラス表を目の前に絶望している。隣にいるのは橋本美玲。彼女とは保育園の頃からの幼馴染みである。そんな美玲と初めてクラスが別れた。あぁ、憂鬱だ。重い足取りで教室へ向かう。
「大丈夫だって!莉亜にも友達くらいできるよ!」
「莉亜は美玲と同じクラスになりたかったのに〜...」
「何とかなるから!ほら行っておいで」
「放課後は一緒に帰ろうね?」
「はいよ。じゃあまた放課後にね」
「うん、ばいばい」
ガラガラガラ
あぁ、やっぱり知らない人だらけだ。
とりあえず自分の席に座る。入学式初日だからか、みんなそこまでうるさくないのが唯一の救いだ。
「はい、じゃあ最初のホームルーム始めるぞー。」
教壇に担任が上がってきた。すると黒板になにか書き始めた。
「このクラスの担任になった猪田和正だ。それじゃあ自己紹介していこうか。まずは俺から。名前はさっき言った通り猪田和正。この学校のOBだ。担当科目は体育。学年主任も務める。1年間よろしく」
猪田先生か。にしても学年主任が担任になるとは...。入学早々ツイてないことばっかりだ。
そして生徒の自己紹介が始まった。
(あ、次隣の人だ)
「石川真人《いしがわまこと》です。山の上中学校から来ました。趣味は音楽を聴くことで、歌い手のSAYUKIさんとか好きです。よろしくお願いします。」
えっ、SAYUKIさん好きなの?!
SAYUKIは、今日本で有名な駆け出しの歌い手だ。莉亜も受験の時にSAYUKIの歌に出会ってから彼女のファンである。
話しかけてみたいが、いつものあがり症が出てしまう。
そんなことを考えている間にあっという間に莉亜の番になった。
あぁ、緊張する。
「お、御園莉亜《おんぞのりあ》です。南条中学校から来ました。部活はバレー部に入部する予定です。最近は音楽を聴くことが好きで、SAYUKIさんとかボカロ系を聴いています。趣味が合う人がいたらぜひ声をかけてください。よろしくお願いします。」
パチパチパチ
ふぅ、とりあえず一難去った。
注目が集まる場所はどうも苦手だ。
にしても隣の人、真っ黒でサラサラな髪、タレ気味の大きな目、長いまつ毛。とても綺麗な顔立ちだ。制服を着ていなかったら男の子だと分からないくらいだ。余計に話しかけづらい。
自己紹介が終わり猪田が教壇に戻ってくる。
「じゃあ今日はこれで終わりだから放課だ。明日からは普通に授業があるから忘れ物しないようにな。じゃあ気をつけて帰れよー」
友達できるといいな...。