あなたとわたしで紡ぐ愛

だからお兄ちゃんと佐和さんが付き合うようになる前から私は佐和さんのことを本当の姉のように慕っていて。

お兄ちゃんが亡くなってからも、佐和さんはずっと変わらず私を妹のように可愛がってくれていて、こうしてたまに一緒に飲みに行ったり買い物にも行ったりするくらい仲が良い。


でもそんな佐和さんにも、渓くんへの気持ちだけは打ち明けられずにいた。


「あの頃は、翠ちゃんオレンジジュースだったのにねぇ」

「ふふ、そりゃあまだ小学生でしたから」


まだ1杯目である梅酒水割りをちびりと飲んだ私を見て、佐和さんが懐かしそうに目を細める。


お母さんが亡くなった後、経理部所属だったお兄ちゃんは外に飲みに行くこともせず、きっちり定時で帰って来て私の面倒を見てくれていた。

そんなお兄ちゃんのために、佐和さんと渓くんがお酒やおつまみ、ついでに私用のジュースやお菓子を買い込んで仕事帰りに度々家に遊びに来てくれて。

その家飲みって奴に、私もちゃっかりオレンジジュースで混ぜてもらっていた。

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