あなたとわたしで紡ぐ愛
「いえ、今日は午前中内勤してて、午後から外回りなんです」
「うーわ、午前中少し雨降ったから午後相当暑くなるらしいよ?」
「みたいですねー」
「大谷くん、また熱中症にならないように、ちゃんとこまめに水分補給するんだよ?」
「はい!……あ、園田さん、良かったらこれどうぞ!先輩が取引先から貰ったらしくてさっき配ってたんで」
「え、あ、うん、いつもありがとう……?」
「相変わらず餌付けされてるわね」
ニヤニヤしている沙織に私は「はは……」と苦笑いで返す。
大谷くんは、会うとなぜかかなりの確率で私にお菓子をくれるのだ。
それから3人で他愛のない話をしながらランチを済ませた後、それぞれの部署へと戻ったのだけど。
先輩に頼まれて郵便局へ郵便物を出しに行く時、エントランスでちょうど営業に出る所らしい大谷くんにまた出くわした。
これから郵便局に行くところだと言った私に、
「じゃあ途中まで一緒に行きましょう!」
そう言った彼は直射日光が容赦なく照りつける外へ向かって、私の腕を引いて意気揚々と歩き出したのだった。