あなたとわたしで紡ぐ愛
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「ーーー……い、翠……ーーー。縁側で眠りこけんなって言っただろーが……」
「ーーー……ん……ーーー」
心地良いまどろみの中で、渓くんの耳障りの良い低音が響く。
「…… 酒、弱いくせに2本も飲んだのか。髪もまだ生乾きだし、そんな薄着で寝てたら風邪引くぞ?」
私の顔周りの髪の毛を掬ったらしい渓くんの手が、一瞬頬に触れた。その温もりに、すり、と無意識に擦り寄る。
これは夢?それとも現実?まぁどっちでもいいや。ふわふわしていて気持ち良いから、もう少しこのままで……。
「……〜〜っ!馬鹿っ、お前は無防備過ぎんだろ……!」
渓くんの慌てたような声。ふふ、こんな声、滅多に聞いたことはないから、やっぱりこれは夢なんだ。
「ったく……。お前、子供ん時から一度寝ちまうとなかなか起きねーんだよな」
ドカッと私の隣に腰を下ろしたらしい渓くんの、ゴツゴツとした大きくて温かい手が私の頭を撫でる。
いつもの乱すような感じではなく、丁寧に、梳くような感じ。