あなたとわたしで紡ぐ愛
5、覚悟
あれから1週間。
〜〜〜♪
午前7時きっかり。今日も渓くんの寝室からスマホのアラームが聞こえて来る。
お味噌汁を温めていた火を止めて、私はいつも通り渓くんの部屋へと向かう。
結局、あの目覚まし時計は2日でお払い箱になった。
あんな大音量で鳴ってるのに渓くんが全然起きないから、近所からの苦情を恐れた私が早々に折れたのだ。
「渓くーん、朝ですよー!」
寝室に入り、いつものようにまずは勢い良くカーテンと窓を開ける。
7月の容赦ない日差しが朝から燦々(さんさん)と渓くんの上に降り注いでいるのに、それでも身じろぎ1つしない渓くんは、ある意味すごい。
「渓くーん!おーい!」
だから今度は渓くんの布団の傍に座って掛かっているタオルケットを引っぺがし、ユッサユッサと揺らした。
「……うるせぇ……」
やっとうっすら瞳を開けたと思えば迷惑そうに顔を顰め、掠れた声で呟く。
よし、起きたかな。
「今日のお味噌汁はナスと油揚げですよ」
そう伝えて揺すっていた渓くんから手を離そうとした時、不意にその手をグッと引かれた。
「わっ……⁉︎」
すっかり油断していた私はそのまま渓くんの布団に倒れ込む。
そしてあろうことか渓くんが私の背中に手を回して、私をがっちりとホールドした。