あなたとわたしで紡ぐ愛
「園田さん。オレじゃ、ダメですか?」
「……え?」
「これ、酔った勢いとかじゃないです。オレ、園田さんのこと、好きなんです。1ヶ月前、具合の悪くなったオレを助けてくれた日からずっと。だから……」
掴まれたままの手から、大谷くんの熱が伝わってくる。
大谷くんが私を、好き……?
突然のことに上手く働かない頭で一生懸命咀嚼(そしゃく)するけれど、全く理解が追いついていかない。
まさかこんなにもストレートに想いを告げられるとは思ってもみなくて。
私が何も言えずに、ただただ呆然と熱のこもった瞳を見つめ返すことしか出来ないでいた、次の瞬間。
「悪いけど、」
突如頭上から声が降って来て。
同時ににゅっと伸びて来た片腕に、私は力強く引き寄せられた。
大谷くんに掴まれていた腕が解放される。
「こいつ、オレのなんで」
……振り向かなくてもそれが誰かなんて、すぐに分かってしまう。