あなたとわたしで紡ぐ愛

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訃報を受けて久々に再会した翠は、初めて会った時のように表情を無くしていた。


ーーダメだった。自分の中に芽生えている気持ちを見て見ぬふりすることはもう出来そうになかったし、オレがこいつの笑顔をまた取り戻してやりたいと強く思った。


『お前、オレんとこ来い』


蒼に託されたからじゃない。

これは、紛れもなくオレの意志。

オレが、お前を1人にはしない。したくない。


断ろうとする翠を言いくるめて、オレは翠とあの家で一緒に暮らすことにした。


ーーいずれは翠と本当の家族になりたい。


密かに、そんな野望を持ってーー。



引っ越しのために翠のアパートで荷造りを手伝っていた時、


"もしもの時は、うちの仏壇の引き出しの、裏を見てみてね"


あいつのあの言葉を思い出したオレは、翠に気づかれないように仏壇の引き出しの裏を見た。

そこには封筒が貼り付けられていて、その中身を見たオレは、ハッと息を飲んだ。

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