あなたとわたしで紡ぐ愛

私もそっと渓くんの背中に腕を回す。

この悩んでいた2週間が嘘みたいに、心地良い渓くんの体温に包まれながら幸せで満たされる。


「くそ……。可愛過ぎる……」


だけどしばらくして渓くんが苦しげに呟き、そっと私から身体を離した。

そして甘い熱と色気を孕んだ瞳で私を捕らえる。


「出来れば今すぐお前を抱きたいところだが……、」

「だっ、抱きた……っ⁉︎」


そのストレートな物言いに、一気に熱を帯びた私の顔。あまりの衝撃に、涙も一瞬止まった。


「ああ。でもその前に、翠に見せたいものがある」


そんな私を見て、渓くんは妖艶に微笑み私の頬をするりと撫でたあと、足元のバッグから封筒を取り出す。

そして「開けてみろ」と私へ差し出した。
  

……ま、待って……。

気持ちが通じ合ったってことだけでもう十分なのに、私今日渓くんと心だけでなく身体も結ばれちゃうの……⁉︎

湯気が出そうな程火照る頬と、ドクンドクンと激しく脈打ち出す鼓動。

浮かんでくる妄想を慌てて掻き消しつつ、何とか封筒を受け取り促されるまま開ける。

そして出て来た用紙に、私は目を見張った。


「これ……」

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