オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
★ 「やぁ……冬……真っ………」 

「明香が欲しい」

耳元で甘く囁かれた、男の人の冬馬の声に、思考は停止して、身体が、冬馬と一つになるように溶けていく。

「アッ……ま……た……ンッ」

「全然足らないっ」

私が、何度達しても、冬馬はおかまいなしに、抽送をやめない。

全部、溶けてしまう。もう心も身体も。冬馬の高い体温と混ざり合って、求め合って、溶け切って、奥深くでようやく、やっと一つになる。

「もうっ……とう……ま………私っ」

今まで一番大きな熱い波が、押し寄せてくる。

春樹とのセックスでは考えられない程に、大きな声で喘いで、何度も達して、それでも尚、冬馬を身体が欲してる。

「冬馬っ……ダメ……」 

「明香っ……最後まで、起きてろよっ」

突き上げるたびに、冬馬が片手で髪をかき上げながら、私の名を呼びながら、切なそうに私を見下ろす。

ーーーーあの日のオリオンの夜みたいに。

切なくて、苦しくて、それでもずっと冬馬が欲しかった。冬馬だけで身体も心もいっぱいに満たして欲しい。

弱い私が、もう二度と迷わないように。もう二度と冬馬の手を離さないように。 

「……冬馬……いっぱい、に……して」

きっと最後の波にのまれたら、私は意識を飛ばすのだろう。

「冬馬っ……愛してる…………ンッーーッ」 

「明香っ、…愛してるっ……」

冬馬のあったかいものが、私の中、いっぱいに吐き出されて、満たされて、私は、冬馬に抱きつくようにして瞳を閉じた。
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