オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
「なんで俺?」

「出張入ってね、明香は俺が行かないから欠席するって言ってたけど、俺どうせ週末居ないし、構ってやれないんでね」

「泊まりだろ?欠席でいんじゃね?」

「明香は本当は行きたいんだよ。お前が一緒なら安心だからな」

茶封筒を俺にぽいと寄越すと、流し台の蛇口を捻った。 

「信用されてんだな、俺」

「お前程信用できる奴はいない」

春樹は唇を持ち上げた。

「しっかし、時期社長は忙しいね」

「お前も課長だろ、出張変わってくれよ、俺は明香と居たい」

「ばーか」 

ーーーー同窓会か。俺たちは三人とも大学時代、天文サークルに入っていた。部員はわずか五人だけ。

星が好きな俺に何故か二人がついて入ったきた。


もう3年前か。正直行く気は無かった。あの夜のことを嫌でも思い出すから。
おそらく、明香もそうだろう。俺が一緒に行ってもいいのだろうか。

皮のソファーでは、明香が俺のジャケットを握りしめながら、静かな呼吸を繰り返していた。
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