オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜

「一緒に堕ちるならこわくないね」 

「……全部俺のせいだから」

そう言うと、冬馬が私の首筋に唇を当てながら、スウェットを一気に捲り上げた。

そして一瞬、冬馬の視線が止まると、私の鎖骨を撫でた。春樹の付けた少し薄くなった赤い痕。 

冬馬はその痕に重ねるように唇で触れた。 

「優しくできないからな」

組み伏せたまま、冬馬が私の頬に触れる。

「……好きだよ」 

私が言葉を言い終わるより先に、すぐにブラジャーの、ホックは外されて、胸の先端に冬馬の唇が摘むように触れる。


「んッ……」

冬馬の唇が触れただけで、身体中に電気が走るみたいに跳ね上がる。

冬馬が、私のスウェットのズボンに手をかけるとそのまま下ろした。

「冬馬……ゆっ、くり」

「……できる訳ねぇだろ」

冬馬の長い指先はショーツの上からなぞるように上下しながら、空いた片方の手で私の胸に触れていく。

「アッ……あ………あっ」 

漏れ出る声は止まらない。

「声我慢してろ」

冬馬の指先が、私の中に入ってくる。

「……だ、め」 

触れられる前から、自分でも分かるくらいに濡れていた。

「もう濡れてんな」

ショーツは一気に脱がされて膝を立てられる。静かな部屋に響く、自分の甘い声と水音と共に襲ってくる快楽におかしくなりそうだ。 

「……力抜いてろよ」

冬馬は、私の声が漏れ出ないように、自分の唇で私の唇を塞ぐと、二本の指を最奥まで差し入れた。

腰が勝手に浮いて、自分の中から何かが押し出される感触と共に全身の力が抜ける。

唇を離すと、冬馬が、肩で息をする私を見つめた。
「はぁっ、私……ごめ」

春樹に抱かれる時、指だけでこんなに早く達したことなど一度もなかった。体が冬馬を求めて疼くのが分かる。

「ばか……んな顔すんな……乱暴にしたくなるだろ」

いつも涼しい顔をしてる、冬馬の余裕のなさそうな顔に、鼓動が早くなって胸が苦しくなる。

「いいよ……」 

私達のしてることは、きっと許されない罪なんだろう。

ーーーー兄妹で重なりあうなんて。


どうせ許されないのだから。乱暴に痛みを伴う位でちょうどいいのかもしれない。

「冬馬に……全部知ってほしいから……」

冬馬の初めて見る熱を帯びた、男の人の瞳に身体中が熱くなる。

「分かった」

冬馬は私の両足を、大きく開かせてから、私の枕を口元に乗せた。 

「……壁薄いから、声我慢して」 

そうだ、篤くん達も二つ隣の部屋だ。
私は頷くと枕を唇に寄せた。

冬馬は、胸からおへそ、太腿へと沢山キスを落としてから、私の中心へと唇を落とす。

押し寄せる快楽に声を殺しながら、必死に耐える。

「ンッ…ンッ…や……ンッ」

「明香ちゃんと息しろよ」 

自分でも分かるほどに、冬馬が欲しくて堪らなくて蜜は溢れて止まらない。冬馬の指が増やされて、身体は勝手に跳ね上がる。

「アッ……んッ……とう、ま……私っ」

いくら枕を押し当てても、強い甘い刺激に声は堪えきれずに漏れ出して、目の前が、クラクラする。

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