オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
長い睫毛を揺らしながら、俺の腕の中で眠る明香を、俺はしばらく眺めていた。
抱くつもりなんて更々なかった。
明香に罪を背負わせるなんて。
「散々我慢してこのザマかよ……」
目に涙をいっぱい溜めた明香に、好きだと言われて、俺の理性はもう紙切れ一枚も無くなってた。
明香の唇に触れた途端、たがが外れるのが分かった。夢中で求めてたんだ、明香の身体も心も。
「ごめんな」
綺麗な黒髪を漉くように撫でる。
華奢な身体にかなり無理をさせた。優しくどころか、こんな風に明香を乱暴に抱くなんて。
今まで、女なんて散々抱いてきたのに、明香を前にしたら、理性もクソもなかった。ただ明香を自分のモノにしたくて、明香の身体も心も夢中で求めてた。
抑えなんて何一つきかなかった。
いままでずっと押し殺してきた分、唇を重ねたら、もう止まらなかったんだ。
何も考えられなかった。ただ明香が欲しくて、堪らなかった。俺たちは罪を犯した。
一生許されない罪を。今さらながら俺は唇を噛み締める。
それなのに、静かに寝息をたてて安心した顔で眠る明香を見ているだけで愛おしくて、この腕に抱いて、眠れることに幸せすら、感じてる俺は、本当にどうかしてる。
神様なんてものがいるなら、罪は俺だけが背負いたい。明香は何も悪くないから。
ーーーー最後まで突き放せなかった俺のせいだから。
窓辺のカーテンから見える夜空は、いつの間にか雨は上がり、オリオン座が、俺たちの罪を静かに見下ろしていた。
翌朝目覚めたら、私は、冬馬の隣の布団に寝かされていた。
勿論、下着もスウェットにも乱れはない。隣の布団では、茶色の髪を揺らしながら、冬馬の寝顔がこちらを向いていた。
(全部夢だから……)
冬馬の言葉が、耳元で聞こえたのを思い出す。
冬馬は、どこまでも優しい。昨夜のことは夢だから忘れて欲しい。そう思ってる。
でも夢じゃない。
(全部俺のせいだから)
ーーーー違うよ。私が冬馬のこと好きになったから。
起き上がると、僅かに下腹部に違和感を感じた。
あんなに激しくされたのに、痛みは感じなかった。きっと、冬馬があんな状況でも私を気遣いながら抱いてくれたからなんだろう。
冬馬の寝顔は、小さい頃から変わらない。時々起こしに行った時に髪に触れたことがある。茶色の髪は柔らかくて、睫毛が長い。
もう、触れることも言葉にすることもできない。全て昨日の夜で終わらせないといけないのだから。
「あ、……おはよ」
冬馬の寝顔を見つめていたら、目があった。
冬馬は私を見るとすぐに視線を逸らせて、小さな声で、おはよ、と呟いた。
そのままテーブルに腰掛けると、グラスに水を入れて飲み干した。
冬馬は、何も言わない。まるで昨日何ごともなかったかのように。あっという間に着替えると、荷物と望遠鏡片手に、扉に手をかけた。
「篤とタバコ吸ってくるわ」
「分かった、準備できたら、私も行くね」
抱くつもりなんて更々なかった。
明香に罪を背負わせるなんて。
「散々我慢してこのザマかよ……」
目に涙をいっぱい溜めた明香に、好きだと言われて、俺の理性はもう紙切れ一枚も無くなってた。
明香の唇に触れた途端、たがが外れるのが分かった。夢中で求めてたんだ、明香の身体も心も。
「ごめんな」
綺麗な黒髪を漉くように撫でる。
華奢な身体にかなり無理をさせた。優しくどころか、こんな風に明香を乱暴に抱くなんて。
今まで、女なんて散々抱いてきたのに、明香を前にしたら、理性もクソもなかった。ただ明香を自分のモノにしたくて、明香の身体も心も夢中で求めてた。
抑えなんて何一つきかなかった。
いままでずっと押し殺してきた分、唇を重ねたら、もう止まらなかったんだ。
何も考えられなかった。ただ明香が欲しくて、堪らなかった。俺たちは罪を犯した。
一生許されない罪を。今さらながら俺は唇を噛み締める。
それなのに、静かに寝息をたてて安心した顔で眠る明香を見ているだけで愛おしくて、この腕に抱いて、眠れることに幸せすら、感じてる俺は、本当にどうかしてる。
神様なんてものがいるなら、罪は俺だけが背負いたい。明香は何も悪くないから。
ーーーー最後まで突き放せなかった俺のせいだから。
窓辺のカーテンから見える夜空は、いつの間にか雨は上がり、オリオン座が、俺たちの罪を静かに見下ろしていた。
翌朝目覚めたら、私は、冬馬の隣の布団に寝かされていた。
勿論、下着もスウェットにも乱れはない。隣の布団では、茶色の髪を揺らしながら、冬馬の寝顔がこちらを向いていた。
(全部夢だから……)
冬馬の言葉が、耳元で聞こえたのを思い出す。
冬馬は、どこまでも優しい。昨夜のことは夢だから忘れて欲しい。そう思ってる。
でも夢じゃない。
(全部俺のせいだから)
ーーーー違うよ。私が冬馬のこと好きになったから。
起き上がると、僅かに下腹部に違和感を感じた。
あんなに激しくされたのに、痛みは感じなかった。きっと、冬馬があんな状況でも私を気遣いながら抱いてくれたからなんだろう。
冬馬の寝顔は、小さい頃から変わらない。時々起こしに行った時に髪に触れたことがある。茶色の髪は柔らかくて、睫毛が長い。
もう、触れることも言葉にすることもできない。全て昨日の夜で終わらせないといけないのだから。
「あ、……おはよ」
冬馬の寝顔を見つめていたら、目があった。
冬馬は私を見るとすぐに視線を逸らせて、小さな声で、おはよ、と呟いた。
そのままテーブルに腰掛けると、グラスに水を入れて飲み干した。
冬馬は、何も言わない。まるで昨日何ごともなかったかのように。あっという間に着替えると、荷物と望遠鏡片手に、扉に手をかけた。
「篤とタバコ吸ってくるわ」
「分かった、準備できたら、私も行くね」