オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
★ 「ンッ……あ……」

春樹は、そのままスウェットのズボンごとショーツを脱がすと、すぐに私の足を大きく開かせた。

「待って……はる……アッ…やぁ」

「待てない、明香が欲しい」

春樹の舌先が、私の中に入ってきて、昨日の冬馬との夜がフラッシュバックする。

「明香、すっごく濡れてる」

「やっ……だ……はるきっ……アッ…あ」

何度も春樹に抱かれてる身体は、ちゃんと反応するのに、心がついていかない。

冬馬の唇が、冬馬の指先が、冬馬の熱の全てが心と身体に刻まれてるみたいだ。

「待っ……ヤ……アッ……」

指が二本入れられて、敏感な中心を春樹が唇で強く啄む。

「やっ………アッ……あーーーッ」

一瞬で頭が真っ白になって、身体の奥から蜜が流れ出すのが分かった。

「明香……?」

目を開けて、見上げると、春樹が心配そうな顔をして、私の頬に手を当てた。 

すぐには、わからなかった。

ーーーー自分の瞳から涙がこぼれ落ちてることに。


「ごめん、嫌だったな……疲れてたのに、ごめんな」

私は首を振った。春樹は、全然悪くない。

「違うの……」 

「もう何にもしないから……今日は一緒に寝よう」

「春樹っ」

縋るように伸ばした手を、優しく包み込むと、春樹が、唇で私の頬に触れて涙を掬った。

「明香はいつから泣き虫になったんだ?」

綺麗な二重瞼は少しだけ悲しそうで、胸がいっぱいになる。

春樹だけを愛せたらどんなにいだろう。

「ひっく……春樹、続き……して」

「また今度にしよう」

「やだ……今日がいいの」

今日ちゃんと春樹に抱かれないと、冬馬の熱をもう忘れられないかもしれない。そう思った。


「分かった……じゃあ優しくするから」 

春樹は何度も優しくキスを落としてから、ゆっくりと私を、労わるように入ってきた。

「明香……愛してる」

「……春、樹……」 


春樹の愛に溺れてしまいたい。春樹だけを見つめて、春樹だけを。

繋がりあいながら、私は何度も春樹の名前を呼んでいた。  

それなのに、私の瞼の裏に浮かぶのは、冬馬と最後に見たオリオン座だった。

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