オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
冬馬が、家を出てから、あっという間に2週間ほど経っていた。
私は、相変わらず、朝、冬馬が居るような気がして冬馬の部屋を開けそうになるけど、一度も開けてない。
開けてしまえば、せっかく仕舞った想いまでも、また溢れてしまいそうだから。
今日は、春樹と引っ越し祝いに冬馬の家に夜ご飯を食べにいくことになっていた。
「此処だな、明香おいで」
タクシーを降りると、目の前の10階建のマンションを春樹が見上げながら、私に目配せした。
両手に、お酒とピザを抱えた春樹のあとを、私は、黙ってついていく。
マンションのオートロックで、部屋番号を押すとすぐに応答があった。
「はぁい、いま開けますね」
可愛らしい芽衣の声が、聞こえたと同時にオートロックの扉が開く。
エレベーターで最上階の10階へと辿り着くと、10階には、2部屋しかなかった。芽衣さんと冬馬だけで、このフロアを貸し切っているのだと知る。
春樹が、冬馬の家のインターホンを鳴らすとすぐに、芽衣が扉を開けた。
玄関扉のすぐ横の飾り棚には、私達3人の雪だるまの写真が飾ってあった。
「汚いですけど、どうぞ」
ニコッと笑う笑顔が可愛らしい。いつも冬馬の家を出入りしているのだろう。慣れた手つきでスリッパを出してくれる。
「どうもお邪魔するよ」
「お邪魔します」
「へぇ、広いな」
春樹の、言う通り部屋は思ったより広い。リビングが20畳ほどで、奥の扉は寝室だろう。
春樹が、ピザと酒を大量に抱えているのを見た芽衣が、気を利かせてピザを受け取った。
「ありがとう」
「それにしても、家から送った段ボールまだ開けてないなんてな」
「冬馬、何度言っても全然片付けないんです」
芽衣が段ボールを指差して、目をきゅっと細めた。
「芽衣、だまれ」
台所から、冬馬の声が聞こえてくる。
私は、相変わらず、朝、冬馬が居るような気がして冬馬の部屋を開けそうになるけど、一度も開けてない。
開けてしまえば、せっかく仕舞った想いまでも、また溢れてしまいそうだから。
今日は、春樹と引っ越し祝いに冬馬の家に夜ご飯を食べにいくことになっていた。
「此処だな、明香おいで」
タクシーを降りると、目の前の10階建のマンションを春樹が見上げながら、私に目配せした。
両手に、お酒とピザを抱えた春樹のあとを、私は、黙ってついていく。
マンションのオートロックで、部屋番号を押すとすぐに応答があった。
「はぁい、いま開けますね」
可愛らしい芽衣の声が、聞こえたと同時にオートロックの扉が開く。
エレベーターで最上階の10階へと辿り着くと、10階には、2部屋しかなかった。芽衣さんと冬馬だけで、このフロアを貸し切っているのだと知る。
春樹が、冬馬の家のインターホンを鳴らすとすぐに、芽衣が扉を開けた。
玄関扉のすぐ横の飾り棚には、私達3人の雪だるまの写真が飾ってあった。
「汚いですけど、どうぞ」
ニコッと笑う笑顔が可愛らしい。いつも冬馬の家を出入りしているのだろう。慣れた手つきでスリッパを出してくれる。
「どうもお邪魔するよ」
「お邪魔します」
「へぇ、広いな」
春樹の、言う通り部屋は思ったより広い。リビングが20畳ほどで、奥の扉は寝室だろう。
春樹が、ピザと酒を大量に抱えているのを見た芽衣が、気を利かせてピザを受け取った。
「ありがとう」
「それにしても、家から送った段ボールまだ開けてないなんてな」
「冬馬、何度言っても全然片付けないんです」
芽衣が段ボールを指差して、目をきゅっと細めた。
「芽衣、だまれ」
台所から、冬馬の声が聞こえてくる。