I will love you forever
母の手によって、私の手に繊細で美しい絵が彫られていきます。爪先まで描かれていく花々を見て、私がもしも娘を産んだらその子にも彫ってあげるのかとふと思いました。

「できました。次は足に彫りますね」

母がしゃがみ、足にタトゥーを施していきます。ヘナタトゥーは濃く染まっていて、母はとても満足そうにしていました。

「あなたはきっと、シェロフさんの家で大切にされますよ。きっと幸せになれる」

そう微笑んだ母に私はただ曖昧に笑い、「ありがとう」と言うことしかできませんでした。

ヘナタトゥーを施された後、私たち家族は結婚式場へと向かいます。結婚式場は派手に飾り付けがされ、百名を越える互いの親族や友人が盛り上がり、華やかな空気になっていました。

「ソナムさん」

花婿の豪華な衣装を着たランヴィールさんが現れ、私に手を差し出します。両親の方を振り返ると、両親はニコリと笑いながら頷いており、私はゆっくりとその手を取り、ランヴィールさんに連れられて歩いていきます。
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