月雨さんは少女に塩あまい
「――いただきますよ。それよりソレ片付けてくださいよ?」
「はい! 好きなだけ食べてくださいね」
やれやれと思いながら、自ら調合した茶葉でお茶を淹れる。香り立つ湯気、窓から差し込むやわらかい光、少女の歌――月雨はクッキーらしきものを口に入れ、思わず笑みがこぼれてしまう。
自然にこぼれてしまうのだ、あまりにも幸せで。
皿洗いをしていたはずの少女は、たまたまその瞬間を見たらしくなぜか頬まで染めている。
「月雨さんのそんな顔、はじめてみました……」
「忘れてください」
「いやです。忘れません」
「じゃあ――」
椅子から立ち上がり、貴女の傍までいき――すっと顔を近づける。吐息がかかるほど近く。
「貴女の笑顔と交換です。満足するまで、その色彩を焼きつけさせてください」
――可愛いくて、憎い貴女。
それでも溺れてしまった方が負け。
「はい! 好きなだけ食べてくださいね」
やれやれと思いながら、自ら調合した茶葉でお茶を淹れる。香り立つ湯気、窓から差し込むやわらかい光、少女の歌――月雨はクッキーらしきものを口に入れ、思わず笑みがこぼれてしまう。
自然にこぼれてしまうのだ、あまりにも幸せで。
皿洗いをしていたはずの少女は、たまたまその瞬間を見たらしくなぜか頬まで染めている。
「月雨さんのそんな顔、はじめてみました……」
「忘れてください」
「いやです。忘れません」
「じゃあ――」
椅子から立ち上がり、貴女の傍までいき――すっと顔を近づける。吐息がかかるほど近く。
「貴女の笑顔と交換です。満足するまで、その色彩を焼きつけさせてください」
――可愛いくて、憎い貴女。
それでも溺れてしまった方が負け。