私の運命

20代前半といったところか。


私とほぼ同じくらいだね。


「あの、父とはぐれてしまって――・・」


「受付行きます――?」

その質問にコクリとうなずく。


「じゃあ一緒に行こう。

よいしょ・・」


「あの・・お名前は――?」


「澤田碧―サワダ アオイ―」


なんかこの人にピッタリの名前だ――・・


「君は?」


澤田先生がそう聞く。

「あっ・・あたしは宮内美緒。」


「可愛い名前♪美緒さんか。」


うっ・・可愛いなんて何度も言われ慣れてるのに――・・


名前だけだけど――・・


でも、澤田先生に言われると

なんだか顔が赤く――・・


「顔真っ赤、大丈夫?」

「平気で――・・」


そう言い終わる前におでことおでこをくっつける

先生。



「あのっ・・・・」




「熱はないみたいだね。良かった。」


先生は医師だから私に優しくするの――?



医師だから私を患者だとして見るの――?


「あっ・・あの先生?」

「ん?」

「通院日なんですよ今日・・だから先生の所行かないと。」


「そういえば僕の患者さんの中にも
宮内美緒って人いたな・・・・

まさか君?」

「え・・・・・そうなんですか・・・・?」


「何で身体が不自由に?」

「あぁ・・・・散弾銃で撃たれちゃって・・・」


「――ッ!!・・実はさ・・・・・

俺の恋人も散弾銃で亡くしているんだよ。

だから君の恋人の気持ちよくわかる。」

勘違いしてます・・?

「彼氏いませんよ?」

「マジ?!・・そんな可愛いのにもったいないね。」


「からかってます?」

「マジだよ?」


「そーですか・・」

期待してしまう――・・


先生も同じ気持ち――・・?


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