もうダメだった。
「…莉子、さっきはごめん」
背中越しに結衣の弱々しい声が聞こえる。
「俺どうかしてた。無理矢理キスするとかダメだよね」
その声からは心からの反省の気持ちが伝わる。
「…明日、仕事休むから。莉子を好きでいるのも明日で最後にする。だから明日だけは俺と一緒にいて?莉子が俺のお願い全部明日1日聞いてくれたら諦めるから、ね」
縋るような結衣の声。
ここまで言われればもう結衣を拒否する理由はない。
「わかった」
だから私は結衣の願いを了承した。
「…ありがとう、莉子」
結衣は安堵した声で私にそう言った。
こうしていろいろあった1日はゆっくりと幕を閉じた。