青い球と白い盾(短編)
「おじいさん、一回やらせて~」

店内に似合わない、間延びした声が響く。さっきの子供だ。

白髪の店主は、笑顔で、首まで生やした白い髭をさすりながら

「一回、500円ね。弾が当たったら景品をあげるよ」

母親が代金を払い、子供の前に、銃と白い小皿が運ばれた。皿の上にはコルクの弾が乗せられていた。

子供は入るときよりも息を荒くしながら銃口に弾を差し込んで、狙いを定めた。少しだが頬が赤らんでいる。

狙いは青い球だ。

「よーし…」

しばらくの間の後、パンッ、と乾いた音がした。

弾丸は一直線に青い球に向かっている。子供の顔がにやけた。

カンッ
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