青い球と白い盾(短編)
弾が当たった、しかし子供の顔はムッとしている。

それは、弾が当たらなかったからではない。

青い球に当たると思ったその瞬間、その球の後ろから、それより小さな白の球がスッと出て、弾に当たったのだ。

弾は下に落ちてしまった。

「残念だね~それは景品じゃないんだよ」

そうおじいさんが言うと

子供は赤かった顔をさらに赤くして、また構え直す。

また、パンッ、と乾いた音が店内に響いた。

球はさっきと同じように景品の青い球に真っ直ぐ飛んでいる。しかし、また、白い球が一周してきて、弾を落としてしまった。

子供は少し泣きそうになりながらも、再度挑戦する。しかし、またしても、白い盾に止められてしまった。
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