お隣さんはアイドル   ーはじめて恋をする
「宮野さーん…お迎え来たわよ…」


30分ちょっとしてーー私の眠りも浅かったのか、先生の声ですぐに起きた。

「鈴望!大丈夫?!!!」

翼くん…

「…うん」

そう言った瞬間。

私は浮遊感を感じた。

それは、翼くんが私のことをお姫様抱っこしたからだ。


前の、雷の時もそうやって助けてくれたな…

なんて思ってると保健の先生の優しい笑い声が聞こえた。

「ふふふっ。宮野さんお大事にね。」

「どうも、ありがとうございました。」

と、翼くんが挨拶をしたのがわかった。


ゆらゆらと揺れながら学校の廊下を歩く。

昇降口に行くまでに教室の前を通ったけど、みんな授業に集中してて何か言われることはなかった。

少ししたらヘルメットを被らされたのがわかった。

「ゆれるけど…ちょっと我慢してね。」

そう言われて、バイクに乗せられた。

私は少しの力で翼くんのお腹に手を回した。


「じゃあ、行くね。」

そう言って、バイクが出発した。
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