in other words
ちょっと待て、友達ならばこの人を止めてよ!

後輩だとか何とか言うなら、この人を何とかしてよ!

そんな様子もない彼女たちに何とも言えなくなって、
「ごめん、帰る!」

私は背中を見せると、早足でその場から立ち去った。

「えっ…!?」

「こ、琴美…!?」

佐奈と詩歌が呼び止めようとしてたけど、私は彼女たちを無視するとスペインバルを出たのだった。

「待ってくれ、いきなりすまなかった!」

外に飛び出した私を追いかけてきたのは、高城さんだった。

彼は私の前に立つと、
「何も知らないのに、君にいきなり“好き”だと言って悪かった」
と、言った。

「でも、俺は本当に君のことを好きになった。

一目惚れ…と言うヤツだろうか?」

そう言った高城さんから私は目をそらした。
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