in other words
私は彼の手からハンカチを受け取ると、涙を拭いた。

サンダルが壊れて靴擦れして歩けなくなっていた私を家の前までおんぶしてくれたうえに、泣いてる私にハンカチを渡してくれるなんて…高城さんは本当に優しいと思った。

「そんなトラウマになるような出来事があったら信じられなくても仕方がないな」

そう言った高城さんに、
「元カレのことは忘れた方がいいと言うのは、わかっているんですけど…」

私は泣きながら呟くように言うことしかできなかった。

「ならば、努力をしよう」

「えっ?」

何が?

よくわからなくて首を傾げた私に、
「君が信じるまで、俺は何度でも君に“好き”と言い続けよう」
と、高城さんは言い返した。

「はあ…」

私はそう返事をすることしかできなかった。
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