in other words
「琴美が前の恋を引きずっているのはわかってる。

でもそんな最低な男のことは忘れて欲しいから、昴さんに頼んで紹介してもらったの」

詩歌はそう言うと、彼の方に視線を向けた。

「高城健一郎(タカシロケンイチロウ)です」

彼ーー高城さんは自分の名前を言った。

「昴さんの高校の時の後輩で、航空自衛隊で働いているんだって」

詩歌は言った。

「ああ、なるほど…」

私は呟くように言った。

詩歌の恋人である荒巻昴(アラマキスバル)さんの職業はパイロットだ。

「今すぐにつきあうのは無理だと思うけれど…」

「いや、今すぐにでも彼女とつきあいたいと思ってる」

詩歌をさえぎるように言ったのは、高城さんだった。

「えっ?」

何を言われたのか、全くと言っていいほどに理解ができなかった。
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