あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
三毛猫は美味しそうにそれを平らげてから、羽理をじっと見上げると、ニャーンと鳴いて走り去ってしまう。
そのまま行ってしまうのかと思いきや、意味深に羽理を振り返るものだから、羽理は何だか気になって。
焼き鳥のゴミと、まだ口をつけていない焼きもろこしと焼きそばとリンゴ飴の入った包みをギュッと握ると、羽理は三毛猫の後を追いかけた。
――と、神社の裏手。
余り人気のない場所に、小さな祠があって。
その前に、小太りなお婆さんが一人、小さな台の上に何やら広げて座っていた。
(あれ? ミケちゃんは……?)
お婆さんに気を取られたせいだろうか。
追い掛けてきたはずの三毛猫を見失ってしまった羽理は、所在なくそのお婆さんと見つめ合う格好になってしまう。
「いらっしゃい」
予想に反して少し高い声音で話しかけられて、羽理はビクッと身体を跳ねさせた。
チラリと周りの様子を窺ってみたけれど、人気のない場所。
当然お婆さんと羽理しかいなくて。
「……こんばんは」
仕方なく愛想笑いを浮かべながらお婆さんに近付いたら「お守り、ひとつ買って行か《《ニャ》》いかね?」と誘い掛けられた。
そのまま行ってしまうのかと思いきや、意味深に羽理を振り返るものだから、羽理は何だか気になって。
焼き鳥のゴミと、まだ口をつけていない焼きもろこしと焼きそばとリンゴ飴の入った包みをギュッと握ると、羽理は三毛猫の後を追いかけた。
――と、神社の裏手。
余り人気のない場所に、小さな祠があって。
その前に、小太りなお婆さんが一人、小さな台の上に何やら広げて座っていた。
(あれ? ミケちゃんは……?)
お婆さんに気を取られたせいだろうか。
追い掛けてきたはずの三毛猫を見失ってしまった羽理は、所在なくそのお婆さんと見つめ合う格好になってしまう。
「いらっしゃい」
予想に反して少し高い声音で話しかけられて、羽理はビクッと身体を跳ねさせた。
チラリと周りの様子を窺ってみたけれど、人気のない場所。
当然お婆さんと羽理しかいなくて。
「……こんばんは」
仕方なく愛想笑いを浮かべながらお婆さんに近付いたら「お守り、ひとつ買って行か《《ニャ》》いかね?」と誘い掛けられた。